秋田県仙北市に位置する「角館(かくのだて)」。江戸時代の風情が色濃く残る武家屋敷通りと、春には見事な桜が咲き誇ることで知られ、「みちのくの小京都」とも呼ばれています。歴史、文化、そして美しい自然が調和する角館の魅力を、見どころからグルメ、アクセスまで詳しくご紹介します!
角館とは?武士と商人の町が息づく歴史の街
角館は、江戸時代初期に芦名氏によって基盤が築かれ、後に佐竹北家の城下町として栄えました。町は、武士が住んだ「内町(うちまち)」と、商人が住んだ「外町(とまち)」に明確に分けられており、その当時の町割りが今もほぼそのまま残っているのが大きな特徴です。
特に内町の武家屋敷通りは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、黒板塀と風格ある武家屋敷が連なる景観は、まるで時代劇の世界に迷い込んだかのよう。春のしだれ桜、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々に美しい表情を見せてくれます。
角館観光のハイライト!必見の見どころスポット
角館には、歴史と自然を感じられる見どころがたくさんあります。
1. 武家屋敷通り(内町):歴史散策のメインステージ
角館観光の中心となるのが、この武家屋敷通りです。
- 青柳家(あおやぎけ): 広大な敷地に母屋、武器蔵、解体新書記念館などがあり、見どころ満載。カフェやお土産処も併設されています。
- 石黒家(いしぐろけ): 現存する角館の武家屋敷の中で最も古い格式を持ち、唯一、建物内部の見学が可能です。茅葺屋根の薬医門が目印。
- 岩橋家(いわはしけ)、小田野家(おだのけ)など: それぞれに趣の異なる武家屋敷が点在。映画『たそがれ清兵衛』のロケ地にもなりました。
- 黒板塀と枝垂桜(しだれざくら): 通りの象徴ともいえる黒板塀と、春にはそれに沿って咲き誇るピンクのしだれ桜のコントラストは必見。国の天然記念物にも指定されています。
- 紅葉: 秋には、武家屋敷の庭園や通り沿いの木々が赤や黄色に色づき、しっとりとした美しい景観を作り出します。
2. 桧木内川堤(ひのきないがわづつみ):圧巻の桜トンネル
武家屋敷通りからほど近い桧木内川の堤防には、約2kmにわたってソメイヨシノの桜並木が続いています。満開時には見事な桜のトンネルとなり、国の名勝にも指定されています。武家屋敷通りのしだれ桜と合わせて楽しむのがおすすめです。
3. 商家町(外町):レトロな雰囲気と老舗の味
武家屋敷通りとは趣の異なる、商家や蔵が残るエリア。「安藤醸造」は、醤油や味噌の老舗で、赤レンガ造りの蔵座敷は見学も可能です。美味しい醤油ソフトクリームも人気です。
4. 文化に触れるスポット
- 角館樺細工伝承館: 山桜の樹皮を使った角館の伝統工芸「樺細工(かばざいく)」の歴史や技術を紹介。実演も見られます。
- 新潮社記念文学館: 角館出身の佐藤義亮が創設した新潮社の歴史や、ゆかりの文学者に関する資料を展示しています。
角館グルメとお土産:地元の味と伝統工芸
- グルメ: 稲庭うどん、きりたんぽ、比内地鶏料理など、秋田名物を味わえるお店がたくさんあります。
- お土産:
- もろこし: 小豆粉を使った上品な甘さの干菓子。
- 樺細工: 茶筒や小箱など、使うほどに味わいが増す伝統工芸品。
- 安藤醸造の醤油・味噌: 地元で愛される老舗の味。
角館へのアクセス
- 電車: JR秋田新幹線「こまち」で角館駅下車。東京から約3時間。角館駅からは徒歩で武家屋敷通りまで約15~20分です。
- 車: 東北自動車道を利用。盛岡ICから国道46号線で約1時間、または協和ICから約50分。武家屋敷通り周辺に有料駐車場があります。
角館散策をもっと楽しむには?
- 着物レンタル: 着物に着替えて武家屋敷通りを歩けば、気分は江戸時代へタイムスリップ!写真映えも抜群です。
- 人力車: 風情ある街並みを人力車で巡るのもおすすめです。車夫さんの解説付きで、より深く角館を知ることができます。
- レンタサイクル: 少し足を延ばして桧木内川堤や周辺を散策したい場合に便利です。
まとめ:四季を通じて魅力あふれる角館へ出かけよう!
江戸時代の武家文化が息づく街並み、春の桜、秋の紅葉と、角館は訪れる人を飽きさせない魅力に満ちています。歴史に思いを馳せながらゆっくり散策したり、美しい景色に感動したり、美味しいグルメを堪能したり。
ぜひ、あなただけの角館の楽しみ方を見つけに、「みちのくの小京都」へ足を運んでみてください。心に残る素敵な旅になることでしょう。